最新データからみるコロナ禍の「結婚式場探し」
新型コロナウイルスの影響によって、当たり前だったことが出来なくなった今、結婚式場の探し方や結婚式準備の仕方も変化の時を迎えています。
どんな変化があったのか?今回は、最新の結婚式場探しの動向を、当社が行ったふたつの調査から紐解いていきます。
オンラインツールや配送などを活用し、自宅で結婚式準備をする人、希望する人が増加傾向
レストランや旅行先を選ぶとき、インターネットで事前に情報収集して、お目当ての場所を探すのが当たり前になりつつある現在、結婚式場探しでもWebメディアやSNSで結婚式場を探すことが一般的になってきています。しかし、結婚式準備において言えば、場所の決定後はプランナーとの打ち合わせなど、現地に直接足を運ぶ機会が多くありました。コロナ禍をきっかけに変化したことのひとつが、結婚式準備のオンライン化です。
2020年4月7日に緊急事態宣言が発令された7都道府県在住で結婚式検討中の25歳~35歳女性312人を対象にした新型コロナウイルス流行中の結婚式場探しに関する調査(2020年5月)において、式場探し中の方に、「電話やビデオ通話、オンライン会議ツール、自宅配送サービス、WEBサイトなどを活用し、結婚式関連のサービスを、自宅に居ながら利用することができたら、利用しますか(複数回答)」と聞いたところ、式場探しや式場決定後の打ち合わせなどの結婚式準備に、オンラインツールや配送などのサービスを使用することに前向きであることがわかりました。
式場決定前の結婚式場とのオンライン打ち合わせについては、式場を探している方は「利用したことはないが利用すると思う(39.8%)」、「利用したことはないが内容によっては利用すると思う(25.6%)」と、6割以上が、オンラインでの接客を希望しています。
また、式場が決定している方では既に「実際に利用したことがある」方が45.5%。式場決定前の方のほうがよりオンライン打ち合わせを希望する方が増えていることから、オンライン化の事例や希望も増加していることがうかがえます。
「自宅に居ながら、オンライン会議ツールや配送などで利用することができたら利用したいと思う結婚式関連のサービスについて、教えてください(複数回答)」と聞いたところ、「料理の試食」、「ドレスの試着や詳しいサイズ表」、「式場見学・打ち合わせ」、「引き出物のサンプル」などの声が集まりました。
結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」では、家にいながらオンラインで式場見学や相談が可能な会場を検索できます。
続いては、2020年3月以降に結婚式を挙げた、または結婚式に参列した20代~30代女性256人を対象にした2020年3月以降の結婚式に関する調査(2020年11月~12月)を見ていきます。
結婚式を挙げた方の多くが不安やためらいを感じ、98.1%が結婚式当日に感染症対策を実施
「結婚式を挙げることに、不安やためらいはありましたか(単一回答)」という質問をしたところ、「あった(57.3%)」「どちらかと言えばあった(31.2%)」という結果になり、88.5%の方が、結婚式を挙げることに不安やためらいがあったことがわかりました。理由を聞くと、「新型コロナウイルスが流行っていて、もしクラスターが発生したらどうしようという不安があった(20代後半)」「ゲストが不安な気持ちや嫌な思いをしないか心配だった(20代後半)」など、参列するゲストや家族に対して不安を感じていることがわかりました
各式場での感染症対策や延期・キャンセルの規定などはWedding Parkの各式場のページの特設ページからも確認できるので、ぜひ式場選びの参考にしてみてください。
「結婚式において、感染症対策を実施しましたか(単一回答)」という質問をしたところ、「実施した(98.1%)」「実施していない(1.9%)」という結果になり、2020年3月以降に結婚式を挙げた方の98.1%が感染症対策を実施していたことがわかりました。
【結婚式における感染症対策】※アンケートの回答を抜粋
<招待~受付>
・写真撮影以外のマスク着用、こまめな消毒のお願い(消毒液は会場に設置)
・遠方のゲストにはオンラインでの招待
・受付での芳名帳廃止、飛沫防止にアクリル板の設置
・お渡しするものは、事前に一人分袋にまとめて渡す
・ボールペンなど、複数人と共有するものを廃止
<挙式>
・ゲストでの合唱はなくし、聖歌隊のみの歌唱、または演奏のみに変更
・フラワーシャワーの廃止や事前配布
<披露宴>
・テーブルの人数の削減、ゲスト同士の距離をとる
・マスクケースの配布
・お酒のお酌、ご両親のご挨拶回りを中止
・デザートビュッフェではなく、配膳式で提供
<その他>
・会場のこまめな換気(窓を開ける)
・式場スタッフの手袋着用
・オリジナルマスクケースや名前入りのフェイスシールドの配布
・プチギフトとして消毒ジェルをお渡しする
コロナ禍で結婚式を行った方のアイデアや実際の結婚式の様子はこちらにまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
安心安全な結婚式を。感染症対策・オンライン配信・料理の宅配、新たに生まれている「結婚式のカタチ」
結婚式に参列をした方の97.5%が「参列して良かった」と回答
2020年3月以降に結婚式に参列をした方に「結婚式に参列をして良かったと思いますか(単一回答)」という質問をしたところ、「思う(84.9%)」、「どちらかと言えば思う(12.6%)」という結果になり、参列をした方の97.5%が「結婚式に参列をして良かった」と思っていることがわかりました。具体的な理由を聞いたところ、「暗いムードが漂う中、幸せな2人に癒された(20代後半)」「大切な友人のお祝いができたから(20代後半)」
「新型コロナウイルスで気持ちがどんよりしていた中、友人の晴れ姿を見ることができ、家族の良さを改めて肌で感じることができたから。感染症を一瞬忘れてしまうような幸せな式に出席できた(20代後半)」と、ポジティブな回答が多く集まりました。
結婚式を挙げた花嫁に聞いた「結婚式後の感想を表す漢字」ランキング
結婚式を挙げた花嫁に「結婚式を終えた後の感想を、漢字一文字で教えてください(自由回答)」と質問したところ、最も多かったのは「幸」、次いで「安」、「楽」という結果になりました。
【漢字を選んだ理由】※コメント欄より抜粋
<幸>
・暗いニュースばかりで不安が多かった中、苦労した分無事に結婚式を挙げることが出来た喜びと、皆に楽しんでもらえて、涙あり笑いありの感動的な結婚式になったから(30代前半)
・直前まで不安でしかなかったが、終わってみるとコロナ禍を忘れさせてくれるぐらい皆様に祝福していただき、本当に幸せでしかなかったから(30代前半)
<安>
・4月の挙式予定から9月に変更し、それでも実施できるかギリギリまで悩み挙げた式で、その後ゲストの感染もなく、いい式だったと言ってもらえて安堵したから(20代後半)
・コロナ禍の中で無事に結婚式を挙げられた事に対する安堵と、その後ゲストの皆さんも健康に暮らしてくれている事に対しての安堵(30代前半)
<楽>
・今年はイベントが無く、友達にもなかなか会えなかった為、久し振りに会えた人もいたし、自分たちも楽しめたし、ゲストの皆さんにも「楽しかった」と言って貰えたから(30代前半)
・感染症の不安や規模縮小での寂しさがありましたが、終わってみたら家族だけの空間は気楽で、緊張せず参加者全員わいわい楽しめたと感じている(30代前半)
コロナ禍で、オンライン下見・結婚式の配信など、一気にオンライン化が加速したウエディング業界。結婚式探しをはじめとした、結婚式準備の当たり前も変わりつつあります。
不安を感じていた方が多い中でも、結婚式を挙げた方も参加した方も「やって良かった」「参列して良かった」と思えた方が多かったことからも、オンライン化が進んでも、大切にしたい想いや実現できることは変わらないことが感じられます。
オンライン化で効率的になることで、結婚式をする意味や実現したいことを考えたり、おもてなしのために使える時間が増えたりと、大切な所に時間を使えるようになるかもしれません。
<参考>
【新型コロナウイルス流行中の結婚式場探し動向調査】 結婚式の実施は2020年9月以降が検討の中心に 式場探し・結婚式準備の「オンラインサービス」利用意向度上昇