“結婚式っていいね”と思ってもらえるきっかけを作れた—ウエディングパークZ世代デザイナーが「Wedding Park 2100」カフェプロデュースで感じたこと
2024年3月3日から東京・原宿「ウラハラ」エリア(原宿キャットストリート北ウイング)で開催された「Wedding Park 2100」特別イベント「wedding march ―まちを、もっと幸せにしよう。」展。今回のイベントでは、ウエディングパークの新卒1年目(2024年3月現在)のZ世代デザイナーチームが、人気カフェ「bio ojiyan cafe原宿本店」を舞台に、「結婚式が、もっと好きになるカフェ」をコンセプトにしたカフェをプロデュース。期間限定の体験やオリジナルメニューを提供しました。
普段はウエディングパークでウェブデザインを担当している彼女たちが、カフェをプロデュースしたことでどのような手応えを感じたのでしょうか。イベントを終えた心境や、今回の経験をふまえて今後チャレンジしたいことなどを聞きました。
――「Wedding Park 2100」特別イベントを終えて、今の率直な感想を聞かせてください。
ウエディングパーク デザイナー 廣瀬理桜
廣瀬理桜(以下、廣瀬):まずは、最後までやりきれてよかったなとほっとしています。当日はいろいろな人がカフェの前で足を止めて店頭に飾ってあったドレスを見てくれたり、海外の方からは「何をやっているの?」と質問を受けたりしました。皆さんに「結婚をテーマに盛り上がれるのってなんか素敵!」と感じてもらえる機会を作れたことや、まちを舞台に挑戦できたことをとても誇りに思っています。
ウエディングパーク デザイナー 猪狩佑奈
猪狩佑奈(以下、猪狩):一目で「Wedding Cafe」であることがわかるようにしたく、店外のスペースにドレスを飾ったのですが、それを見て興味を持ってくださる方がすごく多かったのが印象に残っています。カフェも含めて、イベント全体を通じて「結婚式っていいな」と思ってくださる方が増えたのかなと感じました。普段はウェブ上で仕事をしている分、「リアルな場で人の気持ちを動かせる体験ってすごいな」と思いましたね。
ウエディングパーク デザイナー 五島璃音
五島璃音(以下、五島):イベントを無事終えた達成感はもちろんあるのですが、それ以上に廣瀬と猪狩という二人のリーダーにすごく感謝しています。リーダーとして、大きな決断をしなければならない瞬間もあったと思いますが、迷いなくチームを引っ張ってくれて、二人がいなかったら最後まで走りきれませんでした。
猪狩:今までリーダーの経験があまりなくて、自分で何かを決めることに苦労もしました。だからこそ、五島や付いてきてくれたチームの皆さんには感謝したいです。
廣瀬:ここまで大きなプロジェクトのリーダーは初めてでした。でも、経験って自分から機会を作るものだと思うので、改めてチャレンジできて良かったと感じています。
――プロデュースしたカフェやイベント会場で気づいたことや、新たな発見だったことはありますか。
プロデュースした「Wedding Cafe」の店内
廣瀬:私自身、もともとウラハラエリアにあまりなじみがなかったんです。だから、どのくらい人が来てくれるか想像できていなかったんですが、思った以上にたくさんの人の目に触れることができたのが嬉しかったですね。今回プロデュースしたカフェメニュー100人以上の方に味わっていただいたと聞いています。
五島:あとは、意外と海外の方が多かったことも印象に残っています。今回、海外の方に向けたアプローチを準備していなかったので、次に機会があれば自分たちの言葉で説明したり、グローバルなアプローチをしたりしてみたいなと思いました。ウエディングは万国共通ですからね。
コラボメニューのデザインにも今回初めてチャレンジした
――当日現場で印象的だったエピソードはありますか。
廣瀬:「将来、息子がお嫁さんを連れてきたときに見せてあげたい」と、店頭に飾ってあったドレスの写真を撮っていたお客様がいらっしゃったんです。でも、一緒にいたご友人の方が「息子はまだ中学生でしょ」と、笑っていて。でもそれって、ドレスを目にしないとできない会話ですよね。結婚の話って、重くセンシティブなことと扱われることもありますが、こういうイベントを通じてラフに話せる機会を作れたのかなと感動しました。
五島:衣装を写真に収めている方はとても多かったですよね。私は中高生の子たちが足を止めて写真を撮っている姿を見て、結婚式に興味・関心を持つきっかけを作れていることを実感しました。
「まちを、もっと幸せにしよう」展の期間中、ウラハラはイベントカラーのエヴァーチェック一色に
――イベントを運営している中で「自分たちの思いが伝わった」と思えた瞬間はありましたか。
廣瀬:当日の様子をテレビが取材してくださったんですけど、ある男性が「結婚式って周囲の人にお礼ができる場所だと思えたから、僕は結婚式したいです」ってインタビューに答えているのを聞いて、自分たちの思いが伝わった!って思えましたね。
猪狩:私の母もその放送を見ていて、「彼の喜ぶ顔が見たいから結婚式をしたい」と話す女性に「今ってそういう時代なのね」って言っていて。結婚について何かひとつでも発見があるというのも大事な成果だなと感じました。
五島:イベントの一環で「まちの引き出物」という誰でも参加できる抽選会をしていたんですけど、「引き出物っていいよね」って話している方たちを何人か見かけて。そういう風に思ってもらえたことはうれしかったです。
廣瀬:私、若い人に「引き出物ってなんですか?」って聞かれました! このイベントが知るきっかけになったのは大きいですよね。あとは「ウエディングドレスって白だけじゃないんですね」という感想もいただいたのも印象に残っています。
猪狩:私たちはウエディング業界で働いているから、こういったことがすべて常識だと思っていたけど、実は全然常識じゃないんだって知ることができたのは新しい発見でしたね。
「出会いをつなぐストラップ」「運命を結ぶ靴ひも」「ウラハラシューズ」などがもらえる抽選会『まちの結婚式と、引き出物』も同時開催された
――力を合わせてプロジェクトを成し遂げた経験を通じて、自分自身とチームで成長したと思えるところを教えてください。
五島:個人的には初めて空間デザインに挑戦できて、スキルの面ではとても成長できたと思います。あと、社外の方とのお仕事もとても刺激的でした。チームという点では、仲間に頼る大切さを知り、連携してプロジェクトを進めることができるようになったという点で成長できたと感じています。この期間の私たちの団結力は、とっても光っていたな!と。
猪狩:普段はバラバラで仕事しているメンバーがひとつになってプロジェクトを進められたことは、やはり大きかったですね。個人としてはリーダーを経験して自分の伸びしろを発見できたこと、原宿という優秀なグラフィックの多い街でチャレンジしたことで、もっといいものを作りたいと思えたことも成長のポイントでした。また、先輩方が忙しい中でも、自分たちのことを気にかけてくれたのもとても心強かったです。私たちも4月から先輩になるので、後輩が困っていたら気づいてフォローできるような存在になりたいですね。
廣瀬:私は今までは“優しいリーダー”であろうとして、人に任せるのが苦手だったんです。でも相手を信じることも大事だなと感じて、メンバーに仕事を任せて導く力が身についたかなと思っています。チームが成長したポイントは、協力企業の方と連携をとって一緒に作り上げることができたこと。次回はこの経験をいかしてもっと新しいことに挑戦したいです。Wedding Cafeの店内には様々なウエディングフォトが展示された
――今後、皆さんがデザインの力で叶えていきたい未来について教えてください。
五島:「まちを、もっと幸せにしよう。」展を、日本全国、47都道府県で開催してみたい!今回、実際にイベントに足を運んでくれた方がたくさんいたことで、私たちが普段しているデザインの仕事にもやりがいを持つことができました。だからこそ、全国の方に結婚式の素晴らしさを届けつつ、デザインでの課題解決も一層がんばっていきたいです。
猪狩:デザインには言語や年代を超えて伝える力があるんだなと改めて気づかされました。私がウエディングパークのデザイナーとしてできるのは「結婚っていいよね」と思ってくれる人をひとりでも増やしていくこと。そこは引き続き意識していきたいところです。
廣瀬:結婚式ってやっぱり人と向き合うことだと思うんです。パートナーや家族、プランナーさんたちと向き合った結果があのハピネスな時間に表れていると思うので、まずはそういう認識がもっと広まってほしいです。その上で「結婚式をしたい」と思う人が増える未来を、デザインの力で実現していきたいですね。
――最後に今回イベントに参加してくださった方にメッセージをお願いします。
五島:まずは足を運んでくださってありがとうございました。今回のイベントでウエディングに興味を持ってくださった方は、ぜひウエディングパークのサービスも使っていただけたらなと思います(笑)。
廣瀬:今回、来てくださった皆さん。ここで接点を持ったことがご縁なので、ぜひ来年も来てください! 従来の結婚式のかたちにとらわれず、オープンな気持ちで結婚について考えたり、視野を広げたりしていただけたらうれしいなと思います。
猪狩:私たちはこのイベントを2100年までやり続けるつもりですので、続く限りずっと来てくださったらうれしいです。そしてここで体験したことを、ぜひ自分やパートナー、家族との時間について考えるきっかけにしてください。本当にありがとうございました!
( 取材:大井あゆみ 文: 渡部あきこ/写真:伊藤メイ子 / 企画編集:ウエディングパーク)
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